映画「TIME/タイム」(2011年公開)感想
映画「TIME」を鑑賞した。
オススメ度は「☆☆☆(星3つ)」と言ったところ。
(5点満点で3点は普通程度)
この映画を見て感じたところや、見る人を引きつけたポイントを考えていきたいと思います。
誰もが共感するポイント「時間」がテーマ
映画では、「時間=通貨」となり、「死までの残り時間」を通貨として利用するのである。
『余命の時間を通貨として利用する社会って何!?』
『25歳で年齢が止まるって!?』
『コーヒーが「4分」ってどういうこと!?』
と言ったように、映画の世界観(設定)へ興味を持たせている。
人間の共感ポイントである「時間」をテーマに置くことで、
共感スイッチを押しているのである。
次に「寿命への気づき」で深堀を行っている。
人間誰しも死ぬことは知っているが、いつ死ぬのかなど考えている人はほとんどいない。映画の中では、寿命までの時間が刻一刻と刻まれており、誰もが死と隣り合わせであり、生きることに必死なのである。
この映画が伝えたいポイント(狙い)は、
「時間の大切さ」「時間を大切に過ごすこと」が第一に挙げられると思う。
アメリカの今「格差社会」を突くストーリー
この映画の伝えたいこと(狙い)は「格差の是正」と結論づけられる。
2008年のリーマンショック以降のアメリカでは貧富の差が大きくなり、社会問題としても大きく取り上げられている。
下記の記事においても、貧困層が2010年に過去最高になったことが記載されており、2011年の公開時期との合致感が見てとれる。
ストーリーの中では、エリアが8つ以上に分けられており、
多くの時間を有する「富裕層」と、その日暮らしの「貧困層」など、時間の保有数によって居住エリアが分けられている。
各エリア間の通行には「時間(=通貨)」が必要となり、非常に高い設定であるため、エリア間の移動は簡単には行われず、「貧困層」は「貧困層」の世界でのみしか生きられない世の中となっている。
これは現代のアメリカにおいても「富裕層」と「貧困層」の間には、
目に見えない壁が存在しており、通常交流さえも起きない現状を可視化している。
また「富裕層」は100年以上の寿命を持っている一方、
「貧困層」は数十年の寿命しか持てていなことも、現在の富裕層と貧困層の寿命差を表しているのではないであろうか。
映画内では、「富裕層」が自分の思い通りになるように、
「貧困層」から時間を搾取して、自分の余命としていることが描かれており、
「貧困層」の主人公ウィル・サラス(ジャスティン・ティンバーレイク)が奪われた時間を取り戻し、みんなに再分配を行うストーリーとなっている。
映画「タイム」ってどんな映画と聞かれたら
2011年に公開されたアメリカのSF映画。
人間の成長は25歳で止まり、残りの「時間が通貨」となる近未来を描いた作品。
「時間がゼロ」になると人は死んでしまう。
そのため貧しい人は、生きるために25歳の身体で永遠に働き続けないといけない一方で、お金持ちは働かざるとも、永遠の命を保証されている世界となっている。
これは、2011年のアメリカが抱えていた「貧富の差」の社会風刺であり、富裕層が貧困層の労働を搾取している社会を描いていると言える。
物語は、主人公を演じるジャスティン・ティンバーレイクと、ヒロインを演じるアマンダ・サイフリッドが、時間を搾取する社会の転覆を目指し、時間を平等に再分配するために奮闘するアクション映画となっている。
映画の題名とおり「時間の大切さ」も伝わる作品となっている。
映画「TIME/タイム」予告編