企みハジマル

企画を企む人の読書、ハジマル。ハジない、二重マルの企画を作るために。

まるでPC操作!? 映画「Search」の魅力に迫る

 

Search/サーチ (吹替版)

Search/サーチ (吹替版)

  • 発売日: 2019/01/11
  • メディア: Prime Video
 

 

あらすじ

16歳の娘マーゴットが行方不明になり、手掛かりを探すため父デビッドは、娘のPCにログインを行い、手掛かりを探す。家出なのか、誘拐なのか。
娘のSNSにログインを行うと、父親の前では見せなかった表情や友人関係も明らかになり、色々な憶測や不安が父デビッドを襲う。
WEBやSNS全盛の現在において「検索(Search)」と「捜索(Search)」を掛けて、SNS上で父親の大捜索が始まる。

面白かったポイント

この映画は、TVよりもメディア接触率が高くなった、WEB、特にSNSに注目して徹底した演出で、矢継ぎ早に場面展開が行われる。
その中でも特に面白かったポイントは3つ。

①徹底したデジタルファースト

スマホファースト」と言われるように、
スマホの見え方を意識してデザインを行うWEBデザインの定石がある。

この映画はなんと「デジタルファースト」を徹底して、
全編を通して「PC画面」「スマホ画面」でストーリーが展開していく。

見慣れたWindowsiphoneの画面や音が鳴り響くため、
見ていてドキッとする演出に注目して欲しい。

②社会問題「SNSの特定性」に警鐘か

SNSの写真や発言で、個人を特定する社会問題が多くなってきている。
この映画は父親が娘のアカウントを「乗っ取り」、
SNSの発言や友人関係から娘の今を「特定」していくストーリーである。

日本とアメリカで「SNSの特定性」への警戒度は違うかもしれないが、
他人によるアカウントの「乗っ取り」「特定」の安易さを、
父娘の関係の中で、うまく伝えている。

③「家族の大切さ」と「SNS友だちの希薄さ」

近くて気づきづらい「家族の大切さ」。
SNSで簡単につながれるからこその「友だち」という言葉の希薄さ。

10代の若者にとって「友だち」とは大切なものである。
ただこの映画に描かれている「友だち」は名ばかりの「友だち」である。

必死に捜索する父親による「家族の大切さ」、
友だちのふりをする「SNSの友だち」が相対的に描かれている。

逆説的に「SNSの友だち」ではなく「真の友だち」をつくること、
父親に加えて、親友の存在もあれば、さらに面白い展開に出来た気もする。

最後に

社会問題を描きながら、一番身近になったPCやスマホの画面で一貫して演出する映画「Search」は見る価値あり。
ストーリーに無理があるところも何点かあったが、SNSやデジタルに向き合った映画としては面白い作品であった。
テンポや画面展開が早いところも、デジタルっぽい演出で見ていて飽きない。
今ならネットフリックス(https://www.netflix.com/jp/

で配信されているのでぜひ!


映画『search/サーチ』予告編